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木橋診断士制度

ご案内と受験の手引き

木橋診断士/木橋・総合診断士とは

木橋は木材を主構造に持つ橋であるため、その点検・診断には橋梁点検と木材の双方の知識を持つ者が行う必要があります。木橋では、状況によっては鋼材やコンクリートよりも劣化の進行が早いため、その特徴が考慮されなければ誤った診断や対策がなされる可能性があるためです。

一般社団法人木橋技術協会(以下、協会といいます)では、木橋の適切な点検・診断を行える技術者を資格認定しています。木橋に関する点検・診断・保全に関する能力を有する者が認定される木橋診断士と、木橋に加え鋼橋やコンクリート橋も含めた総合的な点検・診断・保全に関する能力を有する者が認定される木橋・総合診断士があります。木橋・総合診断士と木橋診断士は、国土交通省登録技術者資格です。

公共工事に関する調査及び設計等の品質確保に資する技術者資格登録簿
■木橋・総合診断士
品格技資第335号 橋梁(鋼橋) 点検 担当技術者
品格技資第338号 橋梁(鋼橋) 診断 担当技術者
品格技資第341号 橋梁(コンクリート橋) 点検 担当技術者
品格技資第344号 橋梁(コンクリート橋) 診断 担当技術者
品格技資第345号 橋梁(鋼・コンクリート以外の橋) 点検 担当技術者
品格技資第346号 橋梁(鋼・コンクリート以外の橋) 診断 担当技術者
■木橋診断士
品格技資第367号 橋梁(鋼・コンクリート以外の橋) 点検 担当技術者
品格技資第368号 橋梁(鋼・コンクリート以外の橋) 診断 担当技術者

木橋診断士、木橋・総合診断士になるには

木橋診断士および木橋・総合診断士になるためには、講習を受講し講習後の筆記試験に合格する必要があります。受講・受験するための要件は、木橋診断士/木橋・総合診断士 受講要件一覧表でご確認ください。

講習会および試験は例年5~6月に行われます。申し込みについては4月から協会ホームページでご案内します。先着順で受け付け、定員に達し次第締め切ります。協会から受講許可の連絡があり、指定期日までに受講・受験料を納入された方が受講・受験できます。いずれもオンライン受講はできません。

木橋診断士の新規取得を希望される方
木橋診断士新規講習会を受講し受験してください。
木橋・総合診断士の新規取得を希望される方
木橋・総合診断士新規講習会および木橋診断士新規講習会を受講し、それぞれ受験してください。
受講のみを希望される方
資格要件に関わらず木橋・総合診断士新規講習会と木橋診断士新規講習会を受講することができます。

講習を受講し、筆記試験に合格された方で、指定期日までに登録料(新規登録料と年間登録料)を納入された方は資格を取得できます。当日受講できなかった場合や不合格の場合でも受講・受験料は返金いたしません。

有効期間と注意事項

木橋診断士および木橋・総合診断士の有効期間は合格後の10月1日から4年後の9月30日までです。登録証を発行しますのでこれを携行し適宜提示してください。有効期限が満了した登録証は返納する必要はありません。所属や連絡先が変更になった場合は 所属先等変更届 を提出してください。

資格を返納する場合
事情により有効期間中に資格を返納するには資格返納届と登録証を事務局に郵送してください。理事会の承認をもって資格の返納が完了します。なお、年間登録料の返納はいたしません。
失効した場合
失効後2年未満の場合は更新と同様の手続きで再取得できます。それ以降の場合は新規取得扱いとなります。

資格の更新

資格を更新するためには、有効期間中に手続きをする必要があります。講習会は例年5~6月に行われます。申し込みについては4月から協会ホームページでご案内します。申し込み後に協会から許可の連絡があり、指定期日までに受講料を納入され、過去に登録料の未納がない方が受講・受験できます。

木橋診断士の更新を希望される方
木橋診断士更新講習会を受講し、更新レポートを提出してください。オンライン受講のみで、会場での受講はできません。講習受講と更新レポートの提出はCPDに代えることができます。更新に必要なCPD単位は 木橋診断士運用規定 または 更新における取得CPD単位申請 を参照してください。
※CPDによる更新には本協会CPD(種別I-A)が必要です。本協会CPDの認定プログラムは「講習会・イベント」ページで「本協会CPD」と記載されているものです。
木橋診断士の方が木橋・総合診断士の取得を希望される場合
木橋診断士の更新と同様に木橋診断士更新講習会を受講し、更新レポートを提出してください。加えて木橋・総合診断士新規講習会および木橋診断士新規講習会(1日目のみ)を受講し、受験してください。

更新講習を受講しレポートが合格と判定された方で、指定期日までに登録料を納入された方は資格を更新できます。当日受講できなかった場合や不合格の場合でも受講・受験料は返金いたしません。

受講・受験料 登録料

表中の「会員*」とは、1年以上会員資格が継続している1種会員(法人)所属の方と2年以上会員資格が継続している2種会員です。木橋診断士の方が木橋・総合診断士の取得を希望される場合は木橋・総合診断士の新規取得に準じます。

令和6年度から受講・受験料および登録料が改訂となっています。

資格名種別一般会員*
受講・受験料木橋・総合診断士新規取得40,000円35,000円
更新
木橋診断士新規取得30,000円25,000円
更新20,000円15,000円
受講のみ(1日あたり)15,000円15,000円
登録料木橋・総合診断士
木橋診断士
新規登録料5,000円5,000円
更新登録料5,000円5,000円
登録料は新規または更新(4年毎)に1回です。

木橋診断士 運用規定

木橋診断士・木橋点検士の登録人数

令和6年度
木橋・総合診断士:17名(うち新規取得3名)
木橋診断士:109名(うち新規取得6名)
令和5年度
木橋・総合診断士:14名(うち新規取得4名)
木橋診断士:102名(うち新規取得9名)
令和4年度
木橋・総合診断士:11名(うち新規取得8名)
木橋診断士:99名(うち新規取得7名)
令和3年度
木橋・総合診断士:3名
木橋診断士:116名(うち新規取得7名)
令和2年度
木橋診断士:125名(うち新規取得12名)
令和元年度
木橋診断士:103名(うち新規取得32名)
木橋点検士:22名
平成30年度
木橋診断士:61名(うち新規取得27名)
木橋点検士:43名
平成29年度
木橋点検士:81名
木橋監理士:5名

木橋アドバイザーから一言

福岡大学 工学部 社会デザイン工学科 教授 渡辺 浩

森林資源が豊かな日本では、古くから多くの木橋が架けられてきました。今では鋼橋やコンクリート橋がメインになりましたが、かといって木橋のメリット、つまり丈夫な橋が安く簡単に作れて、自給できる豊富な森林資源を活用できて、そして地球環境にも地域環境にも優しいというメリットが失われたわけではありません。耐久性は苦手ですが、上手に設計し、点検補修されれば十分な耐久性能が発揮できます。これからも新しい可能性に挑戦していきま しょう。

福岡大学 工学部 社会デザイン工学科 教授 渡辺 浩